平成22年度競技委員会
リーグ戦Q&A集
関西学生アーチェリー連盟
競技委員会監修
1.試合を始める前に
1.1
Q. DOS・審判員の持ち物は?
A. DOS・審判員の持ち物:
全日本アーチェリー連盟競技規則 (2008〜2009) 関西学生アーチェリー連盟内規 リーグ戦規定 平成22年度リーグ戦 申し合わせ事項 平成22年度リーグ戦 DOS・審判員実施要項 平成22年度リーグ戦 Q&A集 ホイッスル(笛) ストップウォッチ(携帯は不可) ボールペン(赤・黒) メモ帳 ルーペ 正装(必要ならば透明の防水衣)・運動靴 |
以上のものはDOS校が用意してください。
まず、ストップウォッチ等は雨などの故障に備える為にも持って行ったほうがよいでしょう。ストップウォッチ機能付の時計などでも構いません(携帯は不可)。帽子について「審判服装規定」ではキャップ型、赤色等の条項がありますが競技者から容易に識別できれば構いません。
次に、ユニフォームの上からでもいいので正装には着替えて下さい。上から防寒着を着るのは構いません。また、正装は上着だけ(各校指定のブレザー・スーツ・学生服)でも結構です。
メモ帳はトラブルが起こったときなどに、その内容を記録しておくためのものです。
例:3エンド目、2的、先攻○×大学 □△選手、跳ね返り矢。
的中孔を確認。仮採点8点。
また、学連との連絡用に携帯電話を持っていって下さい。 学連競技からの緊急の連絡(選手の遅刻等)が入ることもあるので、試合の始まる直前までは電源を入れておいて下さい。
cf. DOS実施要項 I 「会場に行く前に」競技規則 審判員服装規定 p.199
1.2
Q. 各会場の学連の派遣について
A. 派遣されません。選手としては行くかもしれません。
1.3
Q. DOS・審判員の位置について
A. 十分に安全を確保の、S.L.から的方向に椅子を少し移動させた位置がよいでしょう。選手全員が見渡せる位置に座るようにして下さい。(WL上に審判員用のいすを、SL前方2〜3mにDOS用の椅子を配置するのが望ましい)
1.4Q. 試合開始が遅れる場合は?(選手の遅刻・交通機関の遅延)
A. 選手、及びチームの遅刻の場合
遅刻するチームの代表者の方は、学連競技委員に電話をして下さい。それから、対戦校に連絡をします。
また、メンバー表の提出の後はいかなる理由があっても出場者の交代・変更はできません。次に、定められた弓具検査時にそのメンバーの一人でも遅刻・欠席している場合、不戦敗となります。
コーチの遅刻に関しては、試合に参加する前にDOS審判に服装検査を受ければ途中からでも参加できます。但し、メンバー表に記載されていることが条件になります。
また交通機関の遅延等の理由があるときは、DOSは開始時間を遅らせて頂いて結構です。選手が正当な理由(公共交通機関の遅れ等)で遅刻した場合、DOSは試合時間を最大30分遅らせることが出来ます。30分を越えた場合は、その試合を延期とします。また、各交通機関で「遅延証明書」をもらって下さい。
A DOS・審判員の遅刻・何らかの事情による欠席の場合
遅刻及び欠席するDOS・審判員は、遅刻・欠席がわかり次第、学連競技委員・試合校にすぐに連絡を入れてください。勝手に判断せず学連競技委員の指示に従ってください。
また、各交通機関で「遅延証明書」をもらって下さい。
1.5Q. 審判の旗の使用について
A. 例年通り三色旗を使って下さい。
※旗の使用方法は「DOS実施要項」を参照してください
1.6Q. 試合の準備(畳の確認など)について
A. レンジの設備(風向旗・的番・標的・畳・3M.L.・S.L.など)や その他必要なものの確認、また周囲の安全確認のためにも、レンジ番の人と一緒に準備するのがよいでしょう。問題があれば、レンジ番に指示して調整して下さい。
cf.
DOS実施要項 II 「試合開始前」
1.7Q. 午前中のトラブルで午後の行射開始に影響を及ぼす場合
A. 午前中天候の関係で試合を中断し、再開することになった場合、午後の競技開始時間をDOSの都合で変更することは可能です。その場合、必ず競技委員に報告してください。
2.競技の進行について
2.1 Q. 弓具検査のチェックポイント
A. メンバー表と選手が一致しているか、選手がバッジを所持しているかどうか、バッジを所持していない選手は、一度目は警告、二度目は失格となります。(バッジ申請中の選手は除く)弓、弦、レスト、クリッカー、サイト、スタビライザー、矢、タブ、予備弓具を見ます。弓具が行射に際して安全かどうか、ルール違反がないかどうかを確認して下さい。補欠も含めて選手全員の弓具検査終了後、監督・コーチエリアに入る監督・コーチをメンバー表と確認し、規定の証明証のチェックをして下さい。
cf. DOS実施要項
III 「開会式」; 審判員実施要項 I 「弓具検査」; 競技規則 第113条5項 (3) p.34;同 204条、205条 p.56〜59、207条 p.61
※バッジを所持していない選手がいた場合、その選手が2回目であってもDOSがその場で失格を宣することはありません。DOSは警告を与えて競技は通常通り進行してください。競技終了後、DOS報告書に警告を与えた選手の名前(大学名)を記載していただければ、競技委員会で1回目か2回目かの判断ができます。2回目の警告ならば役員会で審議して失格にするかどうかを検討します。
2.2 Q. ノッキングポイントより高い位置にシールなどが張ってあり目立つ場合の対処
A. 弦にリップマークまたはノーズマークとして一個の付着物を付けることはできます。ただし、付着物は一個のみ、そしてフルドローの際に競技者の視界に入らないことが条件です。基本的に鼻より高い位置に付着物がついている場合は違反と見なします。
cf. 競技規則
第205条2項 p.57
2.3
Q. コンパウンドのリーグ戦参加について
A. リーグ戦ではリカーブのみです。コンパウンドは使用できません。
2.4 Q. 手袋等の使用で可能なもの
A. 押し手・グリップに関しては「手袋のようなものでグリップに固定・直結していないもの」なら結構です。
とりかけに関しては、手袋を着用して、その上でタブを使用することもできます。
cf. 競技規則 第205条8項 p.58
2.5
Q. 矢の名前や番号の記載について
A. ネームの無い矢については使用できません。 すぐに名前を書くように指示して下さい。ネームの書き方(アルファベットやひらがななどの文字)は全て統一させて下さい。 また、統一されていれば大学名などを入れても構いません。 番号についてはあっても無くてもかまいません。
また、フェザーの枚数や色の組み合わせが違うなど、統一されていない矢は使用できません。
cf. 競技規則 第205条7項 p.58
2.6 Q. スコープの位置について
A. 選手のスコープ使用は構いません。コーチエリア内において監督・コーチもスコープの使用は認められています。ただしスコープの最高位置は腋の下の高さを超えないように調節しなくてはなりません。
cf. 競技規則 第205条9項 p58; リーグ戦規定
「監督・コーチ」
2.7
Q. 3M.L.内に矢が落ちた時の処理・アピールについて
A. 足元に落ちた矢であれば拾っても結構です。しかし、それ以外の場合は危険が伴うので他の矢を使い、落ちた矢は行射終了後に取って下さい。
明らかに3M.L.よりも手前にあることが確認できれば選手は審判員に
アピールする必要はなく、再発射可能です。もちろん拾えない場合は他の矢を使います。
矢の一部でもライン上にある場合、(矢が地面に刺さっているとき)矢の一部でもライン後方の上空にある場合に「3M.L.以内」と認められ、その矢は再発射可能となるのですが、判定が難しい場合は審判員が即座に判定します。この判定では時間は止まりません。なお、判定が間違っていても覆りませんので注意して下さい。また、打ち損じの場合は最初の落下点ではなく、最終的に矢が3M.L.内あるかを判断してください。
cf. 競技規則 第208条4項 (1) p.62
2.8 Q. DOSのストップウォッチが壊れた場合
A. 行射中にDOSのストップウォッチが壊れてしまったら、DOSはすぐに審判員のストップウォッチを借りて測って下さい。
次のエンドからは予備のストップウォッチを使うか、無ければ審判員のそれを借りて使って下さい。時間の管理はDOSの仕事なので、審判員は最悪の場合(腕)時計だけでも結構です。ストップウォッチ付の時計などがあればそれを使って下さい。
cf. 審判員実施要項 II 「行射中」
2.9Q. タイムアウト
A タイムアウトは一試合に各チーム一回ずつ(4分間)とします。タイムアウト中にレンジを離れることも可能です。
2.10Q. 行射中のタイムアウトについて
A. 行射中のタイムアウトはできません。タイムアウトは行射終了後、もしくは開始前にとるようにして下さい。
cf. リーグ戦規定 「タイムアウト」
2.11
Q. 天候・その他の事情に関する中止・中断について
A. DOSの判断にお任せします。完全に安全が確認されれば再開して下さ
い。中断の基準は以下の3つです。
1.標的面を射位から確認できない場合
2.選手の身体に支障をきたすほどの気象条件となった場合
3.射場の安全が確保されない場合
「雷が鳴った場合」は 2.に当てはまるでしょう。光出したらすぐに行射を中断してください。中断の最大時間は30分です。それを過ぎたらDOSの判断により原則として試合は終了します。ただし、どちらか一方でも再試合を希望すれば、原則としてリーグ戦予備日に再試合を行います。試合終了する前に競技委員会まで、必ず報告してください。連絡先はQ&A集の最後にあります。
試合が中止になり再試合も望まなければ(出来ない場合も)、それまでの得点で勝敗を決めてください。
cf. リーグ戦規定 「試合の中断」; 同「試合の終了・再試合」
2.12Q. 審判員の選手に対する助言について
例1
跳ね返り矢の場合は完射しなければならないのに行射を中断しようとしているので、審判員が「3本射って下さい」と言う。
例2
弓具破損を起こした選手が戸惑っているので、修理時間内で修理できることを伝え、W.L.へ誘導する。
審判・DOSは選手のルールに関するミスに気づいたら積極的に教えてあげて下さい。スムーズかつ安全な運営につながります。その他の場合でも、審判員は選手のルールに関するミスや危険などを未然に防ぐために、気付いたことがあれば、積極的に声をかけるようにしてほしいと思います。
2.13Q. 行射を終了した選手が、W.L.とS.L.の間で立ち止まって応援している場合
A. 行射の終了した選手はW.L.後方に下がるように注意してください。W.L.後方からなら、行射終了後も助言・応援を行えます。
cf. 競技規則 第211条7項
p.72
3.1 Q. 跳ね返り矢・貫通矢・垂れ矢の処理の仕方
A. DOS・審判員実施要項にまとめまてあります。ここでは大きな流れのみ記します。
跳ね返り矢の処理
発生した的の選手に3本完射させる
先立ちの場合は後立ちの行射を中断
審判員(1名)・該当選手・採点相手が的前に行く
審判員が得点を記録(メモ用紙に仮採点)
的中孔チェック
跳ね返った矢を的後方もしくは下に置く
矢取り時に審判員立会いのもとで得点記入
※跳ね返り矢が発生した際、標的面に印のない的中孔が見つからなければMとなります。
cf. 競技規則 第210条14項 (1) p.68
貫通矢の処理
基本的には跳ね返り矢の処理と同じです。審判員によってのみ得点が判定されます。また、埋没矢であった場合も同様です。
矢取りの後に、運営に支障のない程度で再発防止の対策(畳の補強、的
をずらす等)を行うなり、的の損傷具合によって的交換をして下さい。
垂れ矢の処理
発生した的のみ行射をただちに中断
(他の的の選手はそのまま行射させて3本完射させる)
審判員(1名)・該当選手・採点相手が的前に行く
審判員が得点を記録(メモ用紙に仮採点)
的中孔チェック
垂れ矢のみを抜いて的後方もしくは下に置く
残り矢1本につき40秒の制限時間で補充矢を行射させる
矢取り時に審判員立会いのもとで得点記入
以上の場合で、行射を中断せずに矢の判定などを全体の矢取りと同時に行った場合、仮採点は必要なく審判員の判定した得点を通常通り記入して下さい。
cf. 競技規則 第210条13項 p.67; 同 第210条14項 p.67-69; DOS実施要項 VI 「もしもの時の対処法」; 審判員実施要項 III 「得点記録」
3.2 Q. 行射中に埋没矢の申告があった場合
A. 貫通矢と同じように処理して下さい。ただし、矢の破損などの恐れがある場合は中断してください。
cf. 競技規則 第210条13項 p.67; Q&A集 3.1
3.3 Q. 埋没矢を取り出した時、的が破損した場合
A. 貫通矢・埋没矢の得点は必ず審判員が判定します。的面の損傷が大きい場合でも、的中孔の位置と得点帯の想像上の分割線を使って得点を与えて下さい。
cf. 競技規則 第210条13項 p.67; 同第210条14項 p.68-69; Q&A集 3.1
3.4 Q. 跳ね返り矢に的前で気づいた場合
A. 審判員が跳ね返り矢を直接確認できなかった場合でも、チェックの無い的中孔が明らかに1つで、跳ね返り矢であると判断できる場合は通常の跳ね返り矢と同様の採点を行って下さい。ただしチェックの無い的中孔が2つ以上ある場合は最低得点帯の得点を与えます。(つまり1点とMならば1点となります)
貫通矢の場合も同様の判断基準でよいでしょう。ただし、的の損傷などで明らかに貫通が確認されればその孔の得点を与えますが、その判断は審判員が行って下さい。
cf. 競技規則 第210条14項 p.67-68
3.5 Q. 同的で、先立ちでも後立ちでも跳ね返り矢が生じた場合
A. 先立ちで跳ね返り矢が確認された場合は後立ちに入る前に確認を行ってください。
先立ちでの跳ね返り矢に気付かずに後立ちの行射を行って的前で両方の跳ね返りに気付いた場合、チェックのない的中孔が2つ以上で、両者とも跳ね返り矢であると判断できる場合は、チェックの無い的中孔の中で最低得点帯の的中孔の得点が両者に与えられます。
標的面に当たった跳ね返り矢なのか、物(矢や釘)に当たったのかは審判員に任せます。また、標的面で跳ね返り矢なのか、貫通矢なのかの判断は審判で行います。
cf. 競技規則 第210条14項 p.67-68;
3.6 Q. 貫通矢と跳ね返り矢が同時に起こった場合の処理の仕
方
A. 跳ね返り矢には他の矢に当たって跳ね返るものもありますので、当てられた矢のノックの損傷も判断基準となります。このような判断はそのときの状況によって変わりますので、臨機応変に対応されるようにお願いします。
3.7 Q. 垂れ矢の得点の判定
A. 「垂れ矢」とは一旦刺さった矢が跳ね返りそうになってぶら下がってしまった状態です。従ってシャフトの位置や的中孔から元々刺さっていた状態を想定して点数を判断してください。
3.8 Q. 時間外発射の判断基準,またその後の処理
A. 時間外発射の判断は、DOSでなく近くの審判員が行って下さい。審判は自分の担当立ちの選手がぎりぎりまで射っている場合は、DOSの行射終了の合図(笛)を耳で聞いてリリースを目で見て判断して下さい。 ただし、選手の視界に入る等、行射の妨げにならないようにして下さい。行射終了の2声または3声の合図は、その笛が鳴り始めた瞬間が行射終了ですので、笛が鳴ってからリリースしていれば時間外発射です。DOSが時間外発射だと思っても、近くの審判が違うと言った場合、近くの審判の意見が優先されます。時間外発射が認められれば、該当選手および会場全体に判るようにレッドカードを挙げて時間外発射であることを告げてください。得点記録に立ち会い、一旦3本の矢の得点をスコアカードに記載させてから審判員が最高点削除してください。
ex.刺さっている矢が10・9・8の場合、スコアカードに「10・9・8」と書かせてその後審判員が「9・8・M」に書き直してサインをします。
時間外発射のペナルティはその立ちの最高点削除となります。最後の矢がどこに当たったか判定できたとしても、 その矢の得点を削除というわけにはいきませんので注意して下さい。
難しい判断ですが審判員が自信を持ってはっきりと対処して下さい。
3.9 Q. 時間外発射をした選手が相互採点を始めたときの対処
A. 採点を始めた後でも、審判員が時間外発射が起こったことを、すぐに
選手に告げて採点に立ち会って上記の対応をしてください。
3.10 Q. 時間外発射をした選手が、採点後の素点の訂正ができない場合
A. もし採点を終えて矢に触れたり矢取りをしてしまった場合でも、最高点削除をしていないことが確認できれば、審判員が最高点削除となるように素点を訂正して下さい。このようなことが起こらないように、矢取りの前に必ず時間外発射であることを選手に伝えて下さい。もちろん選手自身も、時間外発射を認識していた場合は審判に申告しなければなりません。もし、故意に申告せずに最高点削除を免れたのであれば、「不正な手段で高い得点を挙げた」ことになるので失格の対象となります。そのようなことがあれば必ず報告して下さい。
cf. 競技規則 第208条2項(2) p.61; 同 第212条7項 p.73
3.11 Q. 時間外発射の矢が3M.L.以内に落ちた場合の対処
A. 発射ミスをして3M.L.以内に落ちた矢は未発射となる訳ではありません。「再発射」ができるようになるだけのことです。この場合は矢の落ちた場所は関係なく、矢を発射したのが時間外であったということから時間外発射となります。もちろん最高点削除です。
ただし、矢を単に落とした場合はこの限りではありません。
cf. 競技規則 第208条4項 p.62; Q&A集 3.10
3.12 Q. ポイントが的に埋まったときの対処
A. ポイントが短時間で抜けないと判断した場合、試合を再開して下さい。ただし、ポイントが矢の集中しそうな得点帯(10〜8点くらい)に埋まっているのであれば、的をずらすか、レンジ番の人に替えの畳を用意してもらい、次の矢取りのときに畳を交換して下さい。ポイント埋まりの位置が矢の集中しない所であればそのままでも結構です。ただポイントの埋まった場所はきちんと把握しておいて、レンジ番に伝えて後で抜くか畳を交換するようにして下さい。(例:畳に小さくチェックを入れてポイントが埋まっている箇所がわかるようにする、等)。
3.13 Q. 矢取りが不可能なとき、また、矢が見つからないときの対処
A. 審判員の確認があれば次の回から他の矢を使って行射し、試合終了後に矢取りをしても構いません。しかし、審判の確認を取らずにそのままにしておいて、その選手が次の回に矢を3本射った場合は計4本の矢があることになるので4本の内、下から3本のみが得点の対象となる可能性があります。
cf. 競技規則 第210条9項 p.67; 同 第210条16項 p.69
3.14 Q. 弓具破損の限度・制限
A. 弓具破損の範囲は明確な規定がありません。すぐに予備を使用することができる場合を除いて、選手の弓具が通常の状態でなく、修復するためには一旦W.L.後方に下がり特別な用具・工具などを必要とする場合、またはその修復に時間がかかると判断した場合などに適用できます。(最大処理時間は4分です)なお弓具ではありませんが、眼鏡・コンタクトレンズなどのトラブルでも弓具破損として扱う場合があります。基本的に選手・周囲の安全を第一とし、運営に支障をきたさない範囲でなるべく選手に通常の状態で射たせるようにして下さい。
※フリー練習には弓具破損の時間は取りません。
弓具破損が認められる例:
弦切れ、リム折れ … 交換にはW.L.後方に下がる必要がある
または修復に時間がかかるため
レストやノッキングポイントの破損 … 同上
スラビライザーが折れた … 同上
可変式のVバーの調整 … 特別な工具が必要
眼鏡の破損 … 行射を続けるのが危険であるため
コンタクトレンズがずれた・落ちた … 同上
リムが上下逆だった … 弓の状態が通常とは異なる
弓具破損が認められない例:
軽いネジの緩み … S.L.上で直すことができる
矢のノックの破損 … 予備の矢を使うことができる
トイレに行きたくなった … 何も故障していない
弓具破損として認められない場合も、時間内に修理することは可能で
す。
そのエンドの開始前もしくは終了後、タイムアウトを取って修理することも可能です。cf.)
cf. 競技規則第208条2項(3) p.61; 同 第209条12項 p.66; 申し合わせ事項 「タイムアウト」DOS実施要項 IV 「もしもの時の対処方法」; Q&A集 5.2
3.15 Q. 弓具破損の判断
A. 弓具破損の判断は審判員にお任せします。弓具破損の例に挙げたものを参考にして下さい。また弓具破損が認められない例では時間外処理を行いませんので素早く対応してあげて下さい。
3.16 Q. 弓具検査を受けていない弓具の使用について
A. 最初の弓具検査の時でなくても、予備弓具の使用前に審判員に検査してもらえば使用可能です。
cf. 競技規則 第204条2項 p.56
3.17 Q. 弓具破損の処理(修理)時間の開始
A. 測り始めるのはそのチームの行射終了からですが、選手は行射時間中から修理を始めても構いません。もしも長引きそうならば、そのチームにタイムアウトを取るかどうかを確認してあげて下さい。それでも足りない場合は該当選手に確認の上、その行射を放棄したものとみなします。
cf. 競技規則第208条2項(3) p.61; 同 第209条12項 p.66; リーグ戦規定 「タイムアウト」; DOS実施要項 VI 「もしもの時の対処方法」
3.18 Q. 弓具破損が両チーム同じエンドに起こった場合の処理
A. 先立ちで弓具破損が起こり修理時間をとった場合、修理に時間がかかるのであれば修理が終わるのを待たずに後立ちの行射を行うのが普通です。このとき後立ちで弓具破損が起こると、残り矢のある選手が両チームにいることになります。この二人の残り矢の時間外処理は、応援があることや監督・コーチがつくこともあり、別々に行うようにして下さい。
cf. 競技規則 第209条12項 p.66; Q&A集 3.20
3.19 Q. リム折れ等の甚大な弓具破損が起こり、その場で修繕できず予備もない場合
A.弓具が破損した選手の行射が続行不可能ならば途中棄権となり残りの得点はすべてMとなりますが、それまでの得点は記録として残ります。チーム自体が棄権しない限り試合を続けることはできます。
また、補欠選手がいる場合は交代することが出来ます。
3.20 Q. 2人以上で、残り矢数が違う時の処理
例 時間外処理の時、残り矢が2本の選手Aと1本の選手Bが同じチームにいた場合
A. これは全体の行射を中断した場合と個人の行射を中断した場合で時間外処理の方法が違います。
全体の行射を中断した場合
(射場全体の安全が確保できなくなった場合)
残り矢の本数が一番多い選手に処理時間を合わせて、同時に行射させて下さい。上記の場合は1分20秒で時間計測し、選手A、B二人を同時に行射させます。
個人の行射を中断した場合
(弓具破損が複数同時に発生した場合など)
残り矢本数が同じ場合はその本数の処理時間で行います。残り矢本数が異なる場合は残り矢1本につき40秒の時間がそれぞれの選手に与えられます。つまり個々に時間計測を行う必要がありますので、この場合は次のようにすればよいでしょう。
DOSは1分20秒で時間を計測し、選手Aを通常通り行射させます。選手BはW.L.に待機させておき、残り時間50秒になると審判がS.L.に進ませ、残り時間が40秒になったところで審判員が「どうぞ」などと、行射開始の合図を言って、行射を始めさせて下さい。こうすれば両者の残り時間が同じになります。
どちらの場合も30秒前警告は通常と同じです。旗の上げ忘れ・立ち忘れのないように注意して下さい。また、同チームでないときは別々に処理を行いますので注意して下さい。
cf.競技規則第208条2項(4) p.61; DOS実施要項 VI 「もしもの時の対処方法」; Q&A集 3.19
3.21 Q. フリー練習のときの弓具破損の修理
A. フリー練習はあくまで競技開始前の練習ですので、弓具破損による時間延長や補充矢の行射は行いません。時間内で直してもらって下さい。
3.22 Q. レンジ内に動物が入って来た時
A. 動物がレンジに入って来るなど、行射の妨げになる場合や射場全体の安全が確保できない場合は、DOSはすぐに中断させて下さい。
また、昆虫などが標的面上に入ってきて行射の妨げになるような場合も同じです。その後、動物を安全な場所に誘導するなどして、安全が確認できてから競技を再開して下さい。
3.23 Q. 弓がS.L.よりも前に飛んでいった場合の対処
A. 弓が飛んで行ってしまったときでも、その弓を取るために行射の中断はしません。周りの選手の迷惑になりますが(といってもリーグ戦の場合は同じチームの選手ばかりですが)、少し行射するのを待ってもらって弓を取りに行くしかありません。
3.24 Q. 対処しきれないような苦情がきたとき
A. 試合運営に支障をきたすような最悪の事態(このまま続けると競技場内または周辺に危険がある、または著しい妨害・混乱などで試合のスムーズな運営が困難な場合)については、試合を中断し競技委員長までその場で連絡して下さい。
しかし原則的に、トラブル発生時に該当選手または監督・コーチに、注意・警告を与えて改善を求めながら試合を進めます。試合終了後、これを委員会に報告して下さい。処分は学生役員会で行います。ですから基本的にはDOSの判断で対処して下さい。どのような苦情にも対処できるように、規則集は必ず持参しておくようにして下さい。
cf. 実施要項 「助言・応援に関して」; 申し合わせ事項; Q&A集 6.5
3.25 Q. 的紙交換の判断基準
A. 矢の判定に支障をきたすほど的が破損している場合は交換して下さい。
3.26 Q. 2試合同時進行のときの応援のクレームの対処
A. 通常、1試合のみの試合なら問題はありませんが、2試合同時進行するときには2チームが同時に射つため、横で行射しているチームの応援がうるさいとのクレームが出る場合があります。その場合はDOSがその
チームの監督やコーチ、主将等に注意して下さい。
3.27 Q. トラブルのときの笛の回数
A. トラブルが起こって試合を中断するときは、5回以上笛を吹いて下さい。
3.28 Q. 予期せぬ医学的問題が起こった場合
A. リーグ戦では 予期せぬ医学的問題については対応しません (回復に必要な時間は与えません) 。
3.29 Q. コンタクトレンズを紛失した場合
A. 弓具破損として処理します。もしも、なくしたコンタクトレンズが見つからず、安全面で危険だと判断した場合は、各校の判断で棄権して下さい。
3.30 Q. 同的の選手と矢のノック、羽が同じだった場合
A. 開会式の弓具検査後でも矢のノックなどを交換することができます。使用前に審判員に弓具検査を受ければ使うことは可能です。
cf.競技規則p.56第204条2項; p.58第205条7項
3.31 Q. 雨が強く、雨具(レインコート)などが必要な場合
A. 状況に応じてチームのユニフォームを着用した上に防寒着、防水着を着用することは可能です。ただし、安全面を考慮して行射に支障の無いよう注意して下さい。
cf.競技規則p.36~37第116条
4.記録について
4.1 Q. 対戦チームの人数が揃わないときの採点の仕方
A. 例えば、怪我などで選手が途中棄権し対戦人数が合わない場合、隣の的の選手と3人で採点を行って下さい。このとき公平性を保つため、同じチーム内の選手同士で採点することのないよう注意して下さい。
4.2 Q. 5点と4点の境界線
A. 薄い線があるようにも見えますが、青と黒、及び白と黒の間には分割線はありません。つまり青色の得点帯に矢が触れていれば5点となります。
cf.競技規則第203条1項(1) p. 50〜53
4.3 Q. 素点を訂正するとき
A. スコアカードの記載間違いは、矢を抜く前にその標的の選手全員が同意すれば訂正することが出来ます。間違った記載を二重線で消し正しい点数を記入し、その標的の全ての競技者がサインをしてください。
4.4 Q. 判定する際、審判員が矢に触れてしまった場合
A. その的の得点が無効となってしまうミスです。そのようなことのないように注意して下さい。
cf. 競技規則 第210条8項 p.67
4.5 Q. 矢取り後の素点の訂正
A. 間違えた点数のままです。高くても低くても、矢取りをした後の素点の訂正はできません。得点の記録には競技者は相互にその責任を持たなければなりませんので、双方に注意を与えて下さい。
※三人でスコアカードを交換した場合など、どのような状況であっても標的面に矢がない状態では審判員が確認できませんので、矢を抜いてしまってからの素点の訂正はできません。記入間違いが高く間違っていても低く間違っていても最初に記載されたままの点数になります。
cf. 競技規則 第210条1項 p.67; 同 第212条1項 p.73; 同 第212条7項 p.73; 審判員実施要項
III 得点記録
4.6 Q. 矢取り後の採点ミス
A. 矢取り後の採点ミスには主に二つの場合があると思います。
スコアカードのそのエンドの欄に相手の得点がきちんと記入され、自分の得点を次のエンドの欄に記入してしまった場合など、また、その他正しい点が記入されていない場合です。矢取り後ではそのエンドの素点は訂正できませんので、注意を与えて下さい。しかし、次のエンドの素点は訂正できます。
次の得点記録のとき、(素点の訂正と同じように)間違って書かれた点数に二重線を引いて消し、正しい素点を記入した上でその標的の競技者全員がサインします。
その他でも誤った欄に素点を書いてしまった場合も同様の方法で訂正します。
全ての素点訂正は競技者同士でする作業になります。審判員が確認・訂正を求められた場合は上記のような手順で訂正することを競技者に指導してください。
cf. Q&A集 4.5
4.7 Q. 50Mと30Mを間違えて記入したとき
A. 試合の途中で気付いた場合は、仕方がありませんので、審判員の確認の上、スコアカードの距離の欄を選手自身が書き換えて下さい。
4.8 Q. 標的面内の矢に当たって標的面外に刺さった場合
A. 当てられた矢のノックの損傷などで当たったことが確認できれば、当てられた矢と同じ得点になります。ただし、刺さっている矢に当たってそれた矢が標的面内に刺さった場合は、その矢の刺さった位置の得点になります。
また、他の矢に当たり跳ね返った場合は跳ね返り矢と同じ扱いになります。
cf.競技規則第210条14項(5), (6) p.68; Q&A集3.1
4.9 Q. 隣の人の矢と空中で衝突して、標的面外に刺さった場合
A. 矢が空中で障害物(矢や木、鳥など)と接触して方向がそれてしまっても、それによる特別な措置はなく、その矢の得点は有効です。ですから、この場合はMになります。ただし、レンジの不備によるものならば再発を防止するようレンジ番に要請して下さい。
cf. 競技規則 第208条4項 p.62
4.10 Q. 試合途中で棄権者が出た場合の得点
A. それまでの得点のみ有効です(棄権後のその選手の得点はすべてM)
この得点はチームの得点としても有効であり、試合は成立します。もし、具合が悪くなった等の理由で棄権した場合は、その後に体調が良くなり参加できるようになれば、参加した回から得点と認められます。棄権後から参加までの間の回はMと記録されます。
4.11 Q. リーグ戦で点数が同じ場合の勝敗
A. リーグ戦およびExtra Matchにおいて同点の場合、勝敗は次のように決定します。
チームの10点の数の多いもの
X(インナー10)の多いもの
これでも同順位の場合引き分けとする
cf. リーグ戦規定 「勝敗の確定」
4.12 Q. スコアカードを無くした場合
A. あってはならないことです。スコアカードを無くしてしまうと、当然その選手はそれまでの得点を失います。また、記録用紙にはその選手のそれまでの6射計が書かれていますが、その点も無効です。
・ 見つかるまで探させて下さい。もし、それでも見つからないときはその場で競技委員長に連絡して下さい。
・ その他、雨などで破れたりした場合は新しい用紙を与えても構いません。その際は採点相手の確認の上、それまでの素点を記入して下さい。
cf. リーグ戦規定 「勝敗の確定」; Q&A集3.24; 同 6.5
4.13 Q. 試合後スコアカードの確認時、素点の明らかな誤りが判明した場合
A. 矢が抜かれた後の素点の訂正はできません。素点の訂正は矢が標的面から抜かれる前にその標的の全ての競技者が同意すれば可能で訂正することができます。
cf.競技規則p.73第212条1項;
5.1 Q. S.L.以外での素引きの注意
A. 試合中は、S.L.上以外では矢がつがえてあってもなくても弓を引くこと
はできません。そのようなことがあればきちんと注意して下さい。
cf. 競技規則 第211条6項 p.71
5.2 Q. 残り矢がある選手がS.L.を離れた場合
A. 行射中に選手がS.L.を出入りすることは禁止されてはいません。時間内で弓具の故障を直すためや、W.L.に置いたスコープを見に行くために S.L.を離れることもできます。ただし、S.L.上にだれもいなくなってしまう場合は、審判にS.L.を一時的に離れる旨を報告しなければなりません。S.L.上に競技者がいなくなればDOSが直ちに行射の交替または矢取りのための合図を行いますので注意して下さい。
cf. 競技規則 第209条8項 p.66
5.3 Q. 行射を終了した選手がS.L.上に残っていた場合
A. 行射を終えた選手は速やかにW.L.後方に戻って下さい。
cf. 競技規則 第211条7項 p.72
5.4 Q. 応援の人たちの間接的な教示(残り時間等を別の言葉で伝えるなど)について
A. 教示は選手間かコーチだけしか認められません。ただし弓具の重大な異常を告げる場合や、 通例としての当たりに対する掛け声(「○○ファイト!」、「ヨッシャ!」等)は認められます。相手校からの申し立てで応援の人が明らかな教示(身振りや手振り、口頭で矢の行方、点数や残り時間を教えるなど)をした場合DOSは注意を与えて下さい。審判員が気づいた場合、あまりに酷い様ならDOSが注意をして下さい。また弓具破損等によってセッティングを変える必要があるとき、W.L.より前方では選手のみ弓に触れることが出来ます。W.W.L.後方(競技場外)であれば応援の人が弓具の復旧の手伝いをすることも許されます。
6.1 Q. リーグ戦の各校審判員とDOSの資格について
A. リーグ戦DOSは3級資格の有無にかかわらず、3級審判講習会・実地の講習会に参加して、一年間派遣審判で経験を積んだ各大学の競技運営委員に行ってもらいます。審判は、競技運営委員でなくても結構ですが、その業務を責任持って果たせる人間を各大学から2名(または3名)選出して下さい。あらかじめ競技運営委員の方にお願いしてあると思いますが、各大学の部員に審判業務を行えるよう教育しておいてください。
6.2 Q. リーグ戦の審判の割り振りについて
A. 原則的に、自分の大学の試合のある会場で、試合が午前なら午後の、午後なら午前の審判に、あるいは自分の大学の試合の無い日の審判に当たります。自分の大学の試合と重なることはありません。また、ほぼ全員の競技運営委員が2回以上審判に当たることになります。
6.3 Q. Extra Matchの審判について
A.
Extra Matchの審判は、Extra Matchの参加大学で行ってもらおうと考えています。ただし、Extra Matchはリーグ戦と混ぜて行う場合がありますので、リーグ戦とExtra Matchの同時対戦の審判をしてもらうこともあります。
cf. Q&A集 6.2
6.4 Q 悪天候で試合が中断したとき、練習出来るのですか?
A. 中断になっても試合中なので練習は出来ません。
6.5 Q 審判の交通費の支給について
A. 支給されません。
6.6 Q フリー練習での時間外発射について
A .ホイッスルの鳴り始めと同時くらいの微妙な場合は特にペナルティはありません。但しあまりにも遅い場合(ホイッスルの鳴り終わりより遅いような場合)は選手に対して注意をしてください。
6.7Q 競技役員の連絡先
関西学生アーチェリー連盟連絡事務所電話番号 (06–6583−7211)
競技委員についての問い合わせ先
大会競技委員長 岡野邦男 (学連アドバイザー)
競技委員長 横道 隆太 (大阪府立大学)
同副委員長 山口 恵里佳 (滋賀大学)
山地 一平 (神戸薬科大学)
村山 和彦 (阪南大学)
朝日 薫 (大阪大学)
TEL:岡野 邦男 (090−5666−2422)
横道 隆太 (090−8202−4790)
山口 恵里佳 (080−1505−7972)
山地 一平 (080−1474−3880)
村山 和彦 (080−6212−4554)
朝日 薫 (090−6667−0266)
関西学生アーチェリー連盟
http://archery-wsaf.sakura.ne.jp/
※ このQ&Aは2008〜2009年版の競技規則を参照しています。